戸建ての注文住宅を設計事務所に依頼するメリットとデメリット
子供の頃から「こんな家に住みたい」とマイホームへの夢をもっている人は「せっかく建てるのならとことんこだわった家にしたい」と憧れを実現させたいところです。
そんな理想の家をかたちにするために、設計事務所に依頼して注文住宅を選択する場合、あらかじめ知っておきたいメリットとデメリットがあります。
戸建ての注文住宅を設計事務所に依頼するメリット
住みたい家のイメージを具象化しやすい
依頼者の多くは設計の素人であり、建築の知識が十分でないため「住みたい家」を的確に表現することが困難です。
設計事務所は図面を引くプロであり、意匠を凝らした建築物への知見も明るいです。
経験豊かな設計士であれば、依頼主の漠然とした要望を具体的なイメージにしてくれます。
工法や資材選びの自由度が高い
大理石の床やヒノキ風呂、玄関や柱の位置、階段の手すりのデザインなど建物の詳細にこだわっていればきりがありません。
それでも妥協したくないという場合に、設計事務所であればメーカーなどの制限なく工法や資材、設備についての相談に乗ってくれるでしょう。
さまざまな地形に合わせた設計が可能
注文住宅というと広い土地の高級住宅を思い浮かべますが、狭小な土地や三角地などの不形整地の設計も依頼できるのが設計事務所のメリットです。
なかには高低差のある土地や30度以上の傾斜がある崖地など、一見すると建築に適さない土地もあります。
そのような土地でも、地の利を活かした設計を提案してもらうことが可能です。
戸建ての注文住宅を設計事務所に依頼するデメリット
設計事務所は設計するだけ
設計事務所は、あくまでも依頼主の要望に応じて図面を引くのが仕事です。
工事は別途、建設会社や工務店に依頼しなければなりません。
設計事務所の図面どおりに家が建てられるかどうかは工事会社の技量に大きく左右されます。
建築総額が割高になりやすい
建築費用と別に設計会社に設計費用を支払うため、建築総額は高くなります。
特に意匠を凝らした設計の場合、設計士にも高い技術や経験が求められるため、設計費だけでも高額になります。
工期が長い
設計事務所に設計を依頼すると、短くても半年程度はかかります。
状況によっては1年以上かかることもあるのです。
それから工事に入りますが、高度な技術や特殊資材が必要であれば工期はさらに長くなります。
完成後のメンテナンスが難しい
完成後の住宅に対する責任の所在が、施行会社にあるのか設計事務所にあるのかあいまいになりやすいのはデメリットです。
そのためにメンテナンスの対応が遅れてしまうことがあります。
意匠を凝らした建築であるほど、隙間風や雨漏りなどトラブルが起こりやすくなります。
特別仕様の設備は一般のメーカーでは対応が難しいため、設計時に入念な打ち合わせが必要でしょう。